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館盛 勝一
JAERI-Review 97-018, 37 Pages, 1998/01
本報告書は、隣の核大国である中国における使用済み核燃料再処理技術の開発の経緯をまとめたものである。その内容は、初期における旧ソ連からの技術導入による沈殿法の検討、ピューレックス法への転換、パイロットプラントの建設、軍事用再処理工場の建設、運転、そして発電炉燃料の再処理技術開発などである。ここでは、読者の理解に役立てようと、清華大学朱教授の記念講演等いくつかの参考資料も後に追加した。
館盛 勝一
JAERI 1337, 250 Pages, 1996/05
使用済み核燃料の再処理で用いられているピュレックス法は、リン酸トリブチル(Tri-n-butylphosphate,以下略してTBPという)を抽出剤とする溶媒抽出法であるが、この系の主要な溶質成分の分配比を計算するコードシステムDISTを開発した。DISTは、分配比の実験データを格納したデータベース:DISTEX(およびDISTEXFP)、主要なアクチノイドである、U(IV)、U(VI)、Pu(III)、Pu(IV)、Pu(VI)、Np(IV)、Np(VI)あるいは核分裂生成物元素のTc(VII)、Zr(IV)さらにピュレックス工程において重要な成分である硝酸、亜硝酸の分配比を計算するコード:DIST1、DIST2より構成される。DIST1、DIST2コードは、多くのパラメータを含む分配比表記式に基づき、データベース(DISTEX)から指定条件を満足する抽出系の実験データを呼出して、最適化手法により表記式のパラメータ値を求めるという手法を採っている。DISTEX(およびDISTEXFP)には現在、約5000件の分配比の実験データを収納している。
長縄 弘親; 館盛 勝一
Analytical Sciences, 10, p.607 - 613, 1994/08
被引用回数:10 パーセンタイル:44.67(Chemistry, Analytical)先の報文で、TBPの水和とそれに伴うTBPの二量化について報告した。今回は、さらにTBPの濃度が高いときに生成する、水和数の大きいTBP会合体について報告する。最近になって、ピュレックス抽出工程における第3相の形成が、多くの水分子を伴ったTBP-金属錯体の会合体(いわゆるミセル)の生成に大きく関連している(あるいは、第3相自体がミセルである)という報告がいくつかなされている。今回報告する多水和会合体、(TBP)(HO)は、このようなミセル成分の1つと考えられる。本論文はこのような多水和会合体の生成を明らかにした最初の報告である。また、本研究では、この多水和会合体の生成機構について論じ、その構造(結合や形)を推定している。
館盛 勝一
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(5), p.456 - 462, 1994/05
被引用回数:5 パーセンタイル:47.57(Nuclear Science & Technology)再処理共除染工程におけるテクネチウム:Tc(VII)のふるまいを、その分配比計算式を組込んだ計算コードEXTRA・Mにより検討し、テクネチウム除染工程のフローシート条件を明らかにした。使用済燃料中に含まれるZr(IV)は、Tc(VII)の抽出に大きな促進効果を示すので、フィード中のZr(IV)濃度を0.05~0.1~1.0g・lと変化させて、有機相にU,Puと共に抽出されるTc(VII)の割合を調べた。通常の共除染工程に5mol・l位の高硝酸濃度によるストリップ工程を追加すれば、Tc(VII)を効率良く水相中に除染できるが、このストリップ液の流量は、Zr(IV)濃度に依存する。ある流量範囲ではTc(VII)のリサイクル蓄積現象が発生し、最高濃度はフィード中濃度の100倍にも達する。この様な蓄積現象を避け、ストリップ液の高流量を許すために、バイパスフローシートを提案した。
館盛 勝一
JAERI 1331, 177 Pages, 1994/03
再処理ピュレックス工程における、U,Pu,Np,Tc,硝酸等主要成分のふるまいを解析するための過渡計算コードEXTRA・Mを開発した。これは、EXTRA・M1,M2,M3という3つのコードより成るコードシステムで、用途により選択して用いる。対象はミキサーセトラのような平衡型抽出器により構成される工程である。本コードでは、18種の成分を取扱い、40個の化学反応速度式を組込んでいる。各成分の液々分配比は、実験データから最適化手法で求めるパラメータを含む計算式により得る。計算途中時間での瞬時の条件変動やリフラックス方式の過渡計算もできる。本報では、EXTRA・Mコードシステムのモデル概要、数値モデルとその解法、計算例、実験によるコードの検証例を示した。また付録として、プログラムの構造と処理フロー、モジュール説明、データ入力方法、プログラムのソース(EXTRA・M1のみ)等を載せた。